高校卒業後の主な進路として、大学や短大、専門学校があります。
文部科学省の調査によると、平成30年度の専門学校への進学率は22.7%、大学・短大への進学率は57.9%となっています。
4年間、総合的な勉強をする大学、2~3年の短大と、ある分野に特化した専門知識を学ぶ専門学校で進学を悩む人は多いです。
どちらに進学するのかを決めるポイントの一つに、就職率があります。
専門的な知識となると、専門学校の方が学べますが、学歴で言えば大学の方が有利です。
ですが、大学でも様々な専門の学部があるため、専門学校卒では就職に不利になるのではと言われています。
- ポイント1:専門学校卒が就職しにくい理由
- ポイント2:専門学校卒でも就職しやすくする方法
- ポイント3:就職できないまま専門学校を卒業した場合の対処方法
この3つについて詳しく解説していきます。
「専門学校へ進学したいけど就職できるか不安…」
「専門学校に進学したけど就職先がなかなか見つからない…」
このような不安や疑問を持っている方は参考にしてみてください。

専門学校で勉強中だけど不安になってきた…

就職しにくい原因を理解して、きちんと対策すれば大丈夫!
まずは、専門学校卒の人がなぜ就職しにくいのかを見ていきましょう
専門学校卒が就職しにくい理由
一つの業界に特化して、専門知識を学べる専門学校がなぜ就職しにくいと言われているのか、その具体的な理由を見ていきましょう。
専門職であるため受け入れ口が少ない
大学の場合、比較的総合職への応募がしやすく、求人の数がとても多いです。
一方、専門学校の場合、ある業界や職種専門となるため、求人数が少なくなってしまいます。
専門的な職種にしやすいというメリットがある分、求人数が少ないというデメリットもあります。
また、ライバルの専門学校と求人の取り合いになることもあり、競争率は高いです。
新卒で就職する場合、大卒と就職をあらそわないといけない
大学は、様々な業界に活かせる総合的な知識を学びますが、最近ではある分野に特化した学部も多いです。
そのため管理職はもちろん、現場職や専門職の求人においても、専門学校卒は大卒と競わなければなりません。
同様の専門知識やスキルを持っている場合、大手の企業になるほど大卒の方が有利になります。
また、専門学校卒業の人は、就職ができず、大学への進学もできなかったと捉えられる場合もあります。
このように、専門知識やスキルを大卒の人が同様に学んでいた場合、採用されるのは簡単ではありません。

確かに、同じくらい大学の人が専門知識を学んでいたら、学歴では負けるし不利だよね
やっぱり就職するのは難しいのかなぁ…

確かに不利なこともあるけど、対策を取れば大丈夫!
就職しやすくなる方法を見ていきましょう!
専門学校卒でも就職しやすくする方法
一つの職種に特化して学ぶ専門学校の場合、求人数が少なく、同レベルの知識を大卒の人が学んでいる場合、就職は簡単ではありません。
ですが、就職において専門学校卒の人は、不利でしかないというわけではありません。
次に、専門学校卒でも、就職しやすくする方法を紹介していきます。
大卒と争わない
求人には専門知識が必要な現場職と管理職があり、管理職や総合職は基本的に大卒を優先します。
また大手企業になるほど大卒が有利です。
そのため、専門職で地域に密着した中小企業、お店など大卒と応募がなるべく被らないようにすると就職しやすくなります。
また、求人の内容として、専門的なスキルや資格を持っていることが条件の会社であればさらに競争率を下げられます。
選択肢を広げて様々な企業を探す
就職先を決める際に、時間をかけて、一つの会社に絞り応募する人は多いです。
そのような場合、多くの企業に応募することができません。
職種を絞り、あとは様々な中小企業へ応募することで就職しやすくなります。
大手企業へ応募してはいけない、というわけではありませんが、一つに絞らず様々な会社を視野に入れましょう。
また、様々な企業を受けることで面接などにもなれてきます。
「落ちて当たり前」というスタンスでポジティブに就職活動を行うことが大切です。
専門学校の就職サポートだけではなく、転職サイトなどを活用する
専門学校では、周辺の企業やお店などへ営業をかけており、独自の求人を見つけることが可能です。
基本的にその中から応募する会社を決めるのですが、それだけでは求人数が限られています。
専門学校が推薦する求人とは別に、一般の転職サイトなども利用するようにしましょう。
転職サイトは、働きながら求職している人専用と捉えられがちですが、そうではありません。
キャリア採用でない限り、新卒の応募者を募集している企業はたくさんあります。
また、転職サイトには様々な種類があり、一つに業界に特化していたりもします。
そのため、複数のサイトに登録しておくようにしましょう。
転職サイトの場合、地元だけではなく、全国で求人を見つけることが可能です。
就職ができないまま卒業した場合の対処方法
専門学校卒でも工夫して就職活動を行えば就職する可能性を大きく上げることを説明してきました。
ですが、就職先が決まらないまま、卒業をむかえてしまうこともあります。
在学中に就職先が見つけられなかった場合の、対処方法を見ていきましょう。
既卒として仕事を探し続ける
在学中に、就職先を見つけられない学生がいるのと同様に、在学期間の学生を採用できなかった企業も多くあります。
そのため、求人は1年中あります。
在学中ではないことを、マイナスに感じる必要は全くありません。
また、企業が新卒を採用するメリットの一つに助成金があります。
既卒で卒業から3年以内の人を採用すれば、企業側に助成金が支払われる制度があります。
そのため、既卒であっても3年以内であれば在学と時と同様に就職活動を進めやすいです。
専門外の業種も含め就職活動をする
どうしても理想の就職先がみつからない場合、専門外の業種も視野にいれると就職しやすくなります。
就職したい会社の条件を整理しなおして、学んできた業界以外も視野に入れて探してみましょう。
また、専門卒以上の条件にこだわるのではなく、高卒以上の求人でも探すことで幅を広められます。
専門知識がない場合は「未経験者歓迎」の条件で求人を探すことも可能です。
営業職やサービス関係、IT業界は、学歴不問であったり未経験者を歓迎する求人が多い傾向にあります。
就職に有利な資格を取得する
専門的な資格の他にも、業界関係なく有利になる資格を取得すると、就職できる可能性が上がります。
「TOEIC」
グローバル化が進む近年では、英会話のスキルはとても有利になります。
業界関係なく活かすことができる資格で、一概に言えませんが600点以上あると評価の対象になります。
「危険物取扱者」
危険物取扱者は一定数量以上の危険物を貯蔵する施設や工場などで必要となる資格です。
専門的な資格ですが、ドライバーやビルの整備管理スタッフ、ガソリンスタンド、消防士など様々な業界や職種で必要となります。
また、採用に有利になるだけではなく、保有していることで手当てなどがつく会社も多くあります。
「普通自動車免許」
乗り物を運転する仕事はとても多いので取得すると応募できる職種の幅が広がります。
また、ルート営業など移動で車を使用する仕事も多いので、取得していると就職が有利になります。
「基本情報技術者」
ITエンジニアの基礎資格と言われており、情報技術全般の知識を身に付けることができます。
IT業界は、今後更に成長することが確実となっており、人手不足になると言われています。
転職エージェントを利用する
転職エージェントは、担当のスタッフが求職者の希望条件を聞き、それに合った会社を紹介してくれます。
自分だけでは就職活動をするのが不安な場合や、忙しい場合に効率よく進めることが可能です。
面接の日程調整や、提出書類の作成方法なども教えてもらうことができます。
面接の練習も可能なので、初めての応募でも安心です。
保有する求人の中には面接のみの企業も多く、早ければ2週間前後で就職先が決まる場合もあります。

資格の取得や応募する会社を一つに絞らないことで、就職できる可能性は高くなるんだね!

仮に卒業までに仕事が決まらなくても、焦らず自分にあった会社を見つけよう!
まとめ
専門学校卒で就職する場合、総合職では大卒の方が有利であり、専門職であっても、専門の大学卒の人と競わなければなりません。
ですが、一つの企業に絞らず、様々な会社に応募してみたり、転職サイトなどでも求人を探すことで就職できる可能性は十分にあります。
在学中に就職できなかった場合も、既卒として就職活動を進めることができます。
どうしても仕事が見つからない場合は、希望の条件を整理しなおし、専門職以外の求人も視野に入れましょう。
また、資格を取得することも就職活動を有利に進める方法の一つです。
初めての就職活動で不安な場合は、転職エージェントを利用するなどして、効率良く進めていきましょう。