高校中退後の人生設計をどのように描いていくかで、今後の人生の豊かさが大きく変わってきます。
高校中退後は、多くの方が社会に出て働くことを選択しますが、やみくもにアルバイトなどのフリーター生活を続けるのはおすすめできません。
高校中退を人生のリスタート地点として、ここで一度“一生涯やり抜きたい仕事は何か?”考えてみることから始めてみましょう。
まずは、「好きなこと・得意なこと」「嫌なこと・苦手なこと」をノートに書きだして、自分自身の特性・適性を知ることから始めます。
自ずと自分自身に合う職業・業種がみえてくるはずです。
やりたいことが決まったら、就職への第一歩として希望する会社の求人へ応募してみましょう!
今回は、高校中退した方へ向けて、就職面接前にぜひ読んでいただきたい「高校中退した理由の伝え方」を解説していきます。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
高校中退は就職に不利か
厳しいようですが、一般的な印象として高校中退者にはマイナスイメージを抱いている企業が多いのが現状です。
高校卒業というひとつの達成を成し遂げている高卒者よりは、就職の際、不利になることが多いと肝に銘じておきましょう。
ですが、逆境をバネにしてプラスの方向へ転換していく方法はたくさんあります。
まずは、自分自身で目標を決め、その目標を達成してみることから始めてみましょう。
例えば、就職に有利な「普通自動車免許を取得する」「PCスキルを強みとするためMOS資格を取得する」などはいかがでしょうか?
特に、普通自動車免許の取得は、自動車学校に通わなければいけないため決まった時間に通学する習慣が身につきますし、免許取得までの期間が定められているため目標達成への計画性が養われるのでおすすめです。
さらに、高卒で何もスキルをもっていない方よりも、「普通自動車免許をもっているから営業職として車で外回りができる」「Word・Excel・PowerPointのMOS資格をもっているから資料作成が任せられる」と企業の面接官に即戦力として考えてもらえるようになり、内定への確立が大きく上がります。
高校中退は、あくまでひとつの過程。高校中退後の努力が何より大切なのです。
企業側の高校中退へのイメージ
一般的に、企業側が高校中退者へもっているイメージはこのようなものです。
- 高校中退したのは、何か問題があったからではないか?
- 高校を辞めたように、仕事もすぐ辞めてしまうのではないか?
- 人間関係がうまくいかないのではないか?
必ずしも、ご自身に当てはまるものばかりではないかもしれません。
このような世間が抱くネガティブなイメージを払拭できるのは、他でもないご自身の「人間力」です。
人の顔がそれぞれ違うように、高校中退の理由も人それぞれ、さまざまな事情・理由があります。
その事情や理由を、世間に“いいわけ”と印象づけるのか、世間に“納得”してもらえるのかは、他でもないご自身の「態度・姿勢」です。
自分自身が高校中退を理由に、働かないでいたり、やみくもにアルバイトをしては辞めたりを繰り返していても状況は良くなりません。
そして、そんな自分自身を好きになれないということが一番の問題点です。
「自分が好きだと思える自分自身になる」ために、努力を重ねて希望の就職を叶えましょう。
企業は応募者のいいわけを嫌う
企業の面接官が一番嫌うのは「いいわけばかりする応募者」です。
なぜならば、たとえ入社しても、いいわけばかりするようでは仕事を任せられない上、職場の雰囲気も悪くなってしまうからです。
高校中退において、反省や自分の弱さ・甘さを認めることができる“素直さ”があるかどうかを企業の面接官はみています。
自分自身が良くなかったことは素直に認め、だからこそ、今後どのようにしていきたいのかを前向きに話せるように準備しておきましょう。
高校中退した理由の伝え方
高校中退した理由を就職面接で伝えるときには、コツがあります。
ここでは、高校中退した理由を企業の面接官に伝えるためのポイント3つと伝え方の4ステップをお伝えしていきます。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
前提としておさえておきたいポイント3つ
就職面接で高校中退した理由を伝える際に、まず前提としておさえておきたいポイントを3つお伝えしていきます。
ポイントをおさえた回答ができるよう、ご自身でシミュレーションした上で面接に臨んでくださいね!
ストーリーが大事!マイナスの経験が最終的にプラスになったことをアピール
高校中退がマイナスの印象を与えてしまうことには変わりありません。
ですが、高校中退というマイナス地点から、どのようにして最終的にプラスの方向へ進めているかをアピールできるかが重要です。
例えば、いじめが辛く不登校になり高校中退してしまったのであれば、人の痛みがより分かるようになったからこそ、職場にうまくなじめない人や仕事がスムーズに進まない人へ優しさと思いやりをもって接することができるのが自分自身の強みであるといったように、自分自身の辛い経験からプラスになっていく場合が多いものです。
また、高卒・大卒の新卒者よりも、高校中退後にアルバイトやパートなどの非正規雇用であっても仕事に就いたことがある方のほうが、働く上での常識や、経験したスキルを身につけています。
高校中退後の社会人経験で得たことを積極的に面接で話してみましょう。
マイナスのまま発言を終えない
面接では「マイナスのまま発言を終えない」ことが重要です。
どんなことを聞かれても、たとえご自身に不利な質問であっても、理由を説明する際にマイナスのまま回答を終わらせないようにしましょう。
面接は、希望の企業へご自身をアピールする場。
マイナスのままの印象で終わるのは、もったいないと思いませんか。
そして、企業は「マイナス思考な応募者」を避けます。
それは、マイナスはさらに大きなマイナスを呼ぶからです。
プラスの力よりマイナスの力は強いといっても過言ではありません。
面接官は多種多様な質問のなかで、職場の士気を下げることなく、前向きに新しい風を吹き込んでくれる人物かどうかを判断しています。
問題行動や学業不振を理由にしない
決して、これまでの問題行動や学業不振を理由としてはいけません。
どんな会社も、社会へ適用する気がない人を採用することはありません。
では、面接で高校中退の理由を伝える際には、どう話せば良いのかいくつか例をあげておきます。
下記、参考にしてみてくださいね。
- 学校生活への不適応(馴染めなかった・無気力だった・勉強に興味がわかない)
- 進路変更
- 病気やケガ
- 経済的理由
- 家庭の事情
そして、今はどのように反省して、改善しているかを伝えることも大切なポイントです。
伝え方の4つのステップ
次に、高校中退した理由を伝える上での、伝え方の4ステップをお伝えしていきます。
ご自身のこれまでを振り返って、この4ステップの順にノートに書きだして整理してみましょう。
その後、どのように話すかをシミュレーションします。
それだけで、面接でスムーズに話せるようになりますので、ぜひ実践してみてくださいね。
ステップ1:中退した理由
まず、面接のはじめの段階で高校中退した理由を伝えます。
高校中退には、さまざまな事情・理由があったはずです。
そして、簡単に決断したわけではないでしょう。
例えば、経済的に学費を支払い続けることが困難だったり、家庭の事情で進学が難しかったりした方であれば、その後どのようにして家族を経済的に支えていったかなど、努力が分かる内容を話せるようにしておきましょう。
また、病気やケガで高校中退したという方は、今は就業する上で問題ないということを伝えておきましょう。
健康上の不安がある方は、やはり採用を避けられてしまうためです。
ですが、心身に何らかの障害が残っていたり、既往症から気をつけなければいけないことがあったりする場合はきちんと伝えておきましょう。
病気やケガの再発で、せっかく就職した会社を辞めることになってしまっては元も子もありません。
なお、面接で良い印象を与えたいからといって嘘の理由を話してしまってはいけません。
面接官は、応募者よりずっと社会人経験を長く積んできた方々です。
嘘はすぐに見抜かれますし、悪い印象を与えてしまいます。
ステップ2:中退したことで味わった後悔、挫折など
高校中退したことで、味わった後悔や挫折などについても、伝えましょう。
誰しも、自分自身が一度決めた目標を諦めてしまったときには、後悔や挫折を感じています。
では、その後悔や挫折をどのようにして乗り越えたのか、また、これからどのようにして乗り越えたいと考えているのかを伝えられるようにしておきましょう。
例えば、学校生活に馴染めず高校中退してしまったが、集団生活を送れなかった後悔から、普通自動車免許取得のため自動車学校へ4カ月ほど通ったところ、集団生活に慣れるようになり、一緒に学ぶ仲間がいることの良さに気づけたといったように前向きな結論で伝えてみましょう。
また、いじめなどによる不登校や、病気やケガによって在学を諦めなければいけなかったという方は、その辛さや自分ではどうすることもできない状況から、どのようにして再び就職を目指す意欲をもてるようになったかを伝えると良いです。
後悔や挫折したことを正直に伝えられる素直さと、その後悔や挫折から学ぶことができる力、そして、後悔や挫折を乗り越える前向きさをアピールできるようにしましょう。
ステップ3:中退後に取り組んだことと、その経験から得たもの
高校中退後に得たものを伝えると、面接で好印象を与えられます。
高校中退後に取り組んだことは何か、また、その経験からどのようなことを得られたかを伝えましょう。
例えば、高校中退後にアルバイトなどで働き始めた方であれば、その仕事を通して関わった人から学んだことが多くあったはずです。
また、その仕事で身につけた技術・スキルはぜひアピールしていきましょう。
また、高校中退後に資格取得に向けてまた新たに学び始めたという方は、なぜその資格を目指したのか、どのように努力しているのかを伝えましょう。
資格取得できていればなお良いですが、勉強中であっても伝えてみると良いです。
向上心があるということが伝われば、印象は良くなります。
高校中退はあくまでひとつの過程。
その後、学ぶ姿勢と、ご自身が一度やると決断したことを諦めないねばり強さが大切です。
努力を怠らない人材を企業は求めています。
ステップ4:中退の経験とそこから得たものを活かして、会社ではこういったことをしたい!
高校中退の経験とそこから得たものを活かして、会社ではこういったことをしたいと未来への想いを伝えましょう。
過去の振り返りばかりではなく、今後どのようになっていきたいかを描けていることが重要です。
応募した企業で、どのように活躍していきたいのか?10年後、20年後……定年退職までに成し遂げていきたいことは何か?想いを伝えてみましょう。
また、その企業で活躍するために、現時点で学んでいること・得たことをどう活かせるのか?自分自身の強みはどう発揮できるのか?自分自身のアピールポイントを積極的に伝えていければより良いです。
まとめ
今回は、高校中退した方へのために、就職面接での高校中退した理由の伝え方をお伝えしていきました。
いかがでしたか?
高校中退は、一般的には就職面接で不利といわれています。
ですが、伝え方次第では、高校中退という壁を乗り越えた強さがアピールポイントになります。
高校中退したからといって、希望の企業・業種への就職を決して諦めないでください。
多くの人が辛いことや大変なことほど諦めてしまいます。
ですが、諦めなかった人にだけ、大きな達成と、その先にこれまで想像することもできなかった未来が待っています。
そして、高校中退してしまって何の希望ももてないと思っている方がいたとしたら……まずは、小さな目標を立てて、達成し続けることから始めてみてください。
例えば、1日30ページ本を読むとか、ささいなことからでかまいません。
目標を達成し続けることで、自己肯定感が高まり、自分を好きになれます。自分自身を大切に思えるようになったとき、自ずとやりたいこと・一生続けてみたい仕事がみえてくるものです。
このコラムが、高校中退を諦める理由にせず、希望の就職を叶えるためのきっかけのひとつになれば、嬉しいです。
ライター:白井絢子 Twitter@Ayako_Shirai321