高認試験は、科目が多くて勉強が大変です。不得意な科目がある場合、一度に合格するのは至難の業になります。複数回試験を受ける人がほとんどですが、精神的にも金銭的にも負担が大きいことは想像しなくてもわかるのではないでしょうか。
高認には、条件を満たせば科目の試験を免除できるルールがあります。受験科目が減った分だけ勉強が楽になるので、条件を調べておきましょう。場合によっては全科目が免除の対象になる人もいますが、最低でも1科目は合格しないと高認資格は得られません。その場合は、自分の得意科目で勝負してOKです。
高認試験は時間をかけて、少しずつ合格を増やしていくものになります。一度免除になった科目や合格した科目は次の試験でも免除になるので、地道に積み重ねていきましょう。高認が人生の通過点であることを、忘れないでくださいね。
そもそも免除制度ってどんなもの?
試験の免除には条件があります。高校で1年間科目を履修し、所定の単位を取得していることがその1つです。免除となれば、その科目は受験しなくても合格となります。また、高等専門学校に通っていた場合も同様です。各科目で必要な単位を取得していれば、免除となります。
英検、数検、歴検といった技能検定に合格している場合も免除される可能性があります。さらには大学入学資格検定で合格した科目についても、免除の対象です。いずれの条件も文部科学省のホームページに記載されていますので、当てはまりそうな人は確認してください。
免除制度を利用して高認の合格を有利に
高認は合格しなければいけない科目数が多く、一度の試験ですべてに合格することが難しくなっています。複数回チャレンジして、ようやく合格できるのが通例です。そこで、免除が発生すれば勉強すべき科目数が減るため、より集中することができます。
もちろん、受験科目が減ることで受験料は安くなりますよ。受験料は、以下の通りです。
- 3科目以下:4,500円
- 4~6科目:6,500円
- 7~9科目:8,500円
高認は複数回受験することが大半であるため、受験料は少しでも安くしたいですよね。特に、高校を中退した理由が経済面にある場合は切実な問題です。
受験料という観点からも、高認の合格には計画性を持った取り組みが必要なことがわかります。時間をかけすぎると、金銭面の負担が大きくなってしまいます。時間をかけながらも、最短で合格できるよう心がけてください。
免除の可能性がある人と必要な書類や手続きを詳しく紹介
免除の可能性があるのは、大きく分けて3パターンあります。1つ目は、高校や高等専門学校に1年以上通っていた人です。高校1年が修了して単位を取得していれば、その科目が免除になる可能性があります。
2つ目は、英検、数検、歴検といった技能検定に合格している人です。この中で英検のうちの「国際連合公用語英語技能検定」であればC級以上、その他の技能検定では2級以上に合格していれば免除の条件を満たします。
3つ目は、高認あるいは大検で合格した科目です。いずれの場合も書類による証明が欠かせません。それぞれの手続きの方法と必要な書類を紹介します。
高等学校などに1年間以上通った人の場合
高等学校や高等専門学校、あるいは文部科学省が指定する高等課程に1年間以上通っていた場合、免除の対象になることがあります。また、1年間通っていなかった場合でも、単位が取れていれば免除の対象です。
科目免除のためには、「単位取得証明書」が必要になります。これは在籍していた学校にしか存在しないため、学校に足を運んで受け取りましょう。
単位取得証明書を発行してもらったら、文部科学省のホームページにアクセスしてください。文部科学省の「高等学校で修得した単位による免除要件」と、自分が取得した単位を照らし合わせて確認します。高等専門学校に通っていた場合は、「高等専門学校で修得した単位による免除要件」をチェックしてください。
確認が終わったら、高認の受験願書の免除申請欄に〇をつけます。出願の際に単位取得証明書も同封しましょう。やめた学校に行くことは後ろめたさもありますが、遠方に引っ越したなどの特殊な事情がない限りは、学校に行かないと受け取れないものになります。保護者が行くことで解決できるケースもあるので、学校に確認してください。
英検、数検、歴検などの技能検定に合格した人の場合
英検、数検、歴検といった技能検定も、所定の級に合格していれば免除の対象です。文部科学省のホームページから、「知識及び技能に関する審査(技能審査)の合格による免除要件」を確認しましょう。
免除の要件を満たしている場合、技能検定を実施する団体から合格証明書を発行してもらいます。「合格証」では証明にならないので注意してください。証明書は受付当日には郵送されませんので、受験に間に合うように申請しましょう。受験直前はさらに時間がかかる可能性があります。
試験を免除するには、高認の受験願書の免除申請欄の該当科目に〇をつけます。出願には、発行された合格証明書を同封しましょう。手続きに必要な書類が多くなります。特に受験年度はどの団体でも必要なため、受験票などは手元になければ探してください。証明書の発行に必要な書類が揃わずに免除が受けられなくなるのは損なので、こちらは勉強を始める前に対応しましょう。
高認試験/大検で科目合格した人の場合
高認試験で一度合格した科目は、もちろん免除の対象です。大検で合格した科目については、文部科学省のホームページから「大学入学試験検定で一部の科目に合格した場合の免除要件」を確認してください。
合格科目の免除には、文部科学省から郵送された科目合格通知書が必要です。こちらは、紛失した場合でも再発行できます。再発行する場合には、文部科学省のホームページから所定の用紙を印刷し、返信用の封筒を添えて郵送してください。
試験免除の申請方法は、単位修得の場合や技能検定に合格した場合と変わりません。高認の受験願書の免除申請欄に〇をつけ、科目合格証明書を出願の際に同封します。
最初の受験において単位修得あるいは技能検定合格による免除を申請していた場合、二度目の受験で各証明書を再発行する必要はありませんよ。
全科目が免除対象の場合はどうなる?
場合によっては全科目が免除対象になる人もいますが、その場合でも試験を受けずに高認資格を取得することはできません。必ず1科目に合格する必要があります。なお、この1科目ついては指定はありません。自分の一番得意な科目を選択しましょう。また、受験しない科目に関しては免除申請を忘れないでください。これを忘れると元も子もありません。
もし得意な科目がない場合は、暗記科目で勝負する方が効率がいいです。数学や英語は基礎が必要なため、よほど自信がない限りはおすすめしません。
社会の中の、公民科目が一番取り組みやすいのではないでしょうか。個人差はありますが、公民科目ではニュースで耳にするようなワードも登場します。大学受験では政治経済も利用できるので、受験する1科目を迷う場合には参考にしてください。
まとめ
高認試験は、科目数が多くすべてを合格するには時間を要します。その分、1科目でも免除されれば大きな要素です。免除の条件を満たしている科目は、必ず申請しましょう。
科目が免除になることは、金銭面の負担も減らします。特に大学進学を目指す人は、この先でも大きな費用が必要になるため、少しでも消費を少なくしておきたいものです。
高等学校や高等専門学校に1年でも通っていれば、科目免除の可能性があります。また、各種技能検定に合格している場合も免除の対象ですので条件を確認しておきましょう。もちろん、高認や大検で合格した科目は免除対象です。
免除は利用しない手はないので、必要な書類を早めに揃えて出願に間に合うようにしましょう。もし手元にない書類があれば、すぐに探してそれでも見つからなければ再交付が可能か問い合わせてください。